■Keyword:理学療法士 臨床実習 準備
この記事の著者
理学療法士10年目
認定理学療法士【スポーツ理学療法・臨床教育】
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
普段は大学病院で勤務しながらスポーツ現場でもトレーナーとして働いてます。 高校生のサポートや、大会での救護活動を中心に、スポーツ現場に出ています。 臨床ではACL損傷後のリハビリテーションを中心におこなっております。
- 今度実習でるけど不安だ
- 実習はどんなことが問われるの?
- 実習は実際どんな感じ?
- 実習地が決まってからしておくこと
- 実習のゴールってなんだろう?
こんばんは、まつたくです。
理学療法士として働いてる誰もが経験した臨床実習。
みなさんどんな思い出がありますか?
わたしは評価実習でいった大阪で、けちょんけちょんにされたのを覚えてます(良い意味のけちょんけちょんですよ)。
ただその時の経験はとても今でも役に立っており、働いてからの指針にもなってるように感じます。
私のようによい経験ができた方もいればそうでない方もいますよね。
いまから実習に出る学生にとっては不安でしかないと思います。
そんな学生に、一応臨床教育の認定理学療法士の私が、色々お伝えしていこうと思います。
今回の記事では
- 実習の雰囲気がわかる
- 実習はどんなことを聞かれるかわかる
- 不安を解消するための方法
- 勉強以外で何をしておくべきかわかる
- 実習のゴールがわかる
これらを明確にしていきます。
✅実習の雰囲気ってどんな感じ?
【結論】職場・バイザーの雰囲気による
こればかりは職場の雰囲気が影響すると思います。
職場の雰囲気は朝のミーティングや朝カルテを見ている時の雰囲気で何かしら感じてくると思います。
またバイザーに関しては、人によるとしか言えないかもしれません。
例に私を出すと、割と気さくに話しかけるので、学生の皆さんもリラックスしてできていると思ってます(自分が思ってるだけです)。
この辺りは本当に人に寄るので、コントロールできません。
なので一つアドバイスをするとしたら、自分から学びに行く姿勢をいかにつくるかで、実習の雰囲気は変わります。
どんなバイザーや職場でも、一生懸命な学生に対して真摯に向き合わない理学療法士は、、、、言うまでもないですよね。
なので実習の雰囲気は受け身で感じるのではなく自分で作っていきましょう。
✅実習はどんなことを聞かれるの?
【結論】基本的な解剖学や運動学、また認知的な思考
ある意味確認するという点で学生に質問することが多いと思います。
私の場合ですと、基本聞くのは解剖学や運動学、また評価の基本的な所です。
なので皆さん、一年生で習うこと本当に大事ですよ。
ここはしっかりしておきましょうね。
ただ臨床実習となれば、基本的な思考を聞きます。
これは答えはありません。
歩行を見てもらって
「どんなふうに見える?」
とか
膝のROMを見てもらって、
「曲がらない理由ってどんなことがあると思う?」
そんな感じのことを聞きます。
指導者は学生の頭の中を知りたいのです。
いま何を考えて、どんな思考をしてるのか。
この反応をどう解釈するのかな。
と思って聞きます。
なので、学生は今のうちにいろんな知識を関連付けれるようになっておくと良いですね。
✅不安を解消するための方法
【結論】準備、復習しておくしかない
実習における自信はどれだけ準備したかに影響されます。
準備とは何か。
今までの復習です。
知識の整理はもちろん、技術の復習です。
基本的に実習では、学校で習うことはある程度できて実習に来てる思ってる指導者が多いです。
もちろん期待をしているという点もあると思います。
ただみんながみんな成績が「A」でくるわけではないので、答えれないこともありますよね。
そんなこと気にしなくてもよいです。
大事なのは「学ぶ姿勢」です。
わからないことはわからないでよいのです。
それを確認するための実習でもあるので。
最初の雰囲気でも話しましたが、やはり自分の学ぼうとする姿勢が大事です。
真摯に患者さんと向き合って、指導者から何かを吸収しようとする、学ぼうとしてる態度や目はわかります。
そんな学生にはどんどん教えてあげたいと思います。
もちろんどんな学生にも最低限やるべきことは教えます。
ただその一歩先へ踏み込めるかは指導者との関係性にもよるかもしれません。
正直変わらなければいけないのは学生では無く、指導者の方であるということも意識しておかなければいけません。
✅勉強以外で何をしておくべきかわかる
【結論】社会的人としての対人スキルは欲しい
個人的には、
- 挨拶ができる
- 元気が良い
- 笑顔が多い
- コミュニケーションが取れる
この辺ができてれば問題ないです。
敬語もできてるとなおいいでしょう。
社会人になれば当たり前のように必要となりますし、患者さんと対峙する我々理学療法士にも特に必要です。
担当するほとんどの患者さんが年上の方々です。
敬意をもって接することが大切です。
コミュニケーションスキルは特に重要なので今のうちに勉強しておきましょう。
コミュニケーションに関してはこちらもチェック
✅実習のゴールがわかる
【結論】ある程度の助言・指導の下、基本的な理学療法が行えること、メンターに出会うこと
間違えてはいけないことは、実習で1人で理学療法が実施できるようになることまでを求めていないと言うことです。
結論にもあるように、
「ある程度の助言・指導の下」という文言を忘れないでください。
何でもかんでも自分で考えてもらって、それに対してダメ出しを出す、これは助言・指導ではありません。
「あれ、でも1人で患者さんを観れることがゴールじゃないの?」
そう思っている学生も多いと思います。
これは学生だけでは無く、指導者もそう思っていることが多いです。
もちろん理想を言えばそれができればbestかもしれません。
具体的に言うと、実習の目標とは
「社会的ニーズの多様化に対応した臨床的観察力・分析力を 養うとともに、治療計画立案能力・実践能力を身につける。 各障害、各病期、各年齢層を偏りなく対応できる能力を培う。 また、チームの一員として連携の方法を習得し、責任と自 覚を培う。」
( 理学療法士作業療法士養成施設指導ガイドラインについて
引用元)
これが理学療法士養成施設指導者ガイドラインの臨床実習教育の目標とされています。
こんなこと新人でもできないんじゃないかと勝手に思っています。
臨床実習において大切なことは
理学療法士が臨床で出くわす問題点について、どのような思考を経て、患者へ理学療法を提供しているか
という点です。
この点が臨床で理学療法を実施していく上で重要です。
この中の特に【どのような思考を経て】が重要です。
これを臨床推論と言います。
ある患者さんを担当することになり、カルテから読み取れることを読み取り、イメージをして、なおかつ実際に対面してどう理学療法を組み立てていくかを考える一連の流れのことを指します。
実習ではこの臨床推論にたくさん触れて欲しいと思います。
そこを知るために学生さんが疑問に思って、指導者に聞いて欲しいことは、
– なぜこの評価をしたのか
– なぜこの治療を選択したのか
– なぜその位置に立ってるのか
– なぜその手の持ち方なのか
– なぜその声かけをしたのか
などあげるとキリがないです。
わかると思いますが、「なぜ?」を聞いてみましょう。
その指導者がなにを考えてそれをしたのかがわかるからです。
「なぜなぜってきいてうっとうしく思われないかな?」
安心してください。
きちんと考えてる理学療法士はちゃんと答えてくれます。
逆ギレするのは考えてない証拠です。
そこは実習の中で感じ取ってください(笑)
また個人的にとても大事だなと思うのはメンターと呼べる人に出会えることです。
メンターとは、仕事上(または人生)の指導者、助言者の意味。メンターはキャリア形成をはじめ生活上のさまざまな悩み相談を受けながら、育成にあたる。(コトバンク)
私は臨床実習で様々なメンターの方々に出会いました。
そのときの先生方は今でも私に助言をしてくれます。
働いてからは指導者と言うより、同じ理学療法士として接してくれる実習指導者の先生もいます。
ぜひ学生には、
「この先生のもとで働きたい!!」
と思えるような出会いがあると良いと思います。
そのためには実習前から実習先の情報収集をし、そこへ実習で行かせていただける様に準備しておきましょう。
✅まとめ
色々好き勝手言いました。
今、理学療法士の実習は大きく変わろうとしてます。
診療参加型実習というものを推奨されてます。
セラピスト教育のためのクリニカル・クラークシップのすすめ
指導者の先生は知っておく必要があるし、学生も自分が受ける実習はどんなものなのか、知っておくのも楽しいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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