こんばんは。まつたくです。
先日はACLの発生リスクなどについてお話ししましたが、本日はどういった選手がなりやすいかなど少し話していきます。
解剖学、運動学の話し

これは最近(最近と言ってももう何年も前から)言われている新しい靱帯がみつかったという論文です。
解剖学的に脛骨の内旋を制動する靱帯が見つかったとのことで、その名もAnterolateral Ligament(ALL)です。
日本語訳は前外側靱帯です。
大腿骨の外側から脛骨の外側中央の方へ伸びている靱帯です。
ただこれは靱帯といってよいのか、まだコンセンサスが得られていない状態です。
他県ではこのALLの再建も行った上での不安定性などの評価を行ったりと論文も様々です。
6月に参加したJOSKASでは兵庫の先生方はとても否定的な意見を言っていました。
ただこういう靱帯があり、それをも再建する手術があると言うことは頭の四隅にいれておくと良いかなと思います。

これはACL自体の解剖学です。
ACLは線維が大きく3つに分別できるとされています。
記載してあるとおりおおよそ200kgくらいが靱帯に直接かからないと切れないとされています。
靱帯が切れる瞬間というのは、靱帯に伸張ストレスが最大になった瞬間です。
ACLは大腿骨に対して、脛骨が前方へ突出し、さらに内旋、外反することで最大に伸張ストレスが加わります。
これは受傷機転について詳しく話する機会があるのでそこで詳しく話します。
リスクファクター

ACLのリスクファクターには大きく2つ、内的因子と外的因子があります。
内的因子は簡単にいうと、身体に関すること。
例えば体重や性別、解剖学的な不利さのみならず、スポーツのスキルなども含まれます。加えて心理的な影響もここに入ってきます。
外的因子は、プレーしている床面の正常や天候、シューズやルールなどもこれに入ってきます。
ここはある程度指導者の方も知っていれば防げる可能性があると言うことです。
例えばサッカーで言うと、ポイントがないシューズでプレーする、バスケならシューズの中敷きに穴が空いているような状態でプレーすることなどです。
これらが複雑にからみあい、最悪の結果としてケガが起きてしまいます。



これはリスクファクターと相対的リスクをまとめている表です。
一番上の内的リスクファクターの性を見てもらうとリスクが「2−8」と記載されているので、女性は男性より最大で8倍もACL損傷リスクが高いということになります。
あと面白いのは外的リスクファクターの「試合と練習」。
試合の方が受傷しやすいとされています。
おもしろいですよね。
臨床的な実感とほとんどあってきます。
まとめ
今回特に臨床の中で有用に使える知識としては、リスクファクターについてだと思います。
リスクファクターは知っておく必要があります。
これはトレーナーは必須のことですが、指導者や選手も知っておくと予防の一つにつながると思います。
ケガの予防の始まりは正しい知識からとも思っています。
リスクが高いと別れば、それなりに予防トレーニングをする必要性が出てくると思います。
競技の練習も、フィジカルの強化も、ケガの予防も必要なトレーニングです。
ケガを予防するために必要と思っていることはパフォーマンスアップです。
これに関してはまたトレーニングのところで記載していきますね。
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