こんにちはまつたくです。
先日新人症例検討会に参加してきました。
1年目から3年目までの理学療法士さんが症例を出してそれに対してみんなで検討していくっていう形の研修会です。
今回症例を出してくれた方は2名。
内側半月板損傷の患者さんと大転子部骨折でガンマネイル術後の患者さん。
私は島根県理学療法士会の理事になってます(少し自慢)ので、理事と言う立場でお話をさせていただく機会を得たのでそこで話した内容を少し話させていただきます。
運動器疾患の特徴

運動器疾患を抱えている患者さんを見ていく上で、1番問題になってくるなぁっていうのがやっぱり痛みに関してです。
痛みに関しては理解をしておかないといけません。
外来にしても入院にしても何か痛みを抱えています。
その痛みに対してどう評価するか評価に対してどういう風に解釈をして治療するのかって言うところがすごく大事になってきます。
今回検討に上がった2症例に関しても、やっぱり痛みが残ってしまったとかどこに痛みがあるのかわからなかった、というのが問題提起としてされました。
これは僕も若い頃、まだ若いかもしれませんが、まだ1年目とか3年目位までの時って「なんでこの人こんなに痛いんだろう」って言うのがわからないまま治療していたところもあったなと思いました。
HOPSとは?
そこで痛みや痛みの原因を探るために私が普段から臨床で意識しているのがHOPSです。

まずは問診(History)が重要です。
このHistoryを聴くことで、おおよその疾患や痛みの目安をつけます。
ここで必要な評価の選定や、治療を想像しておきます。
外来患者に関しても入院患者に関してもこれはすごく大事な評価項目ではないでしょうか?


外来であればある程度診断はドクターがつけてくれます。
ただ考えておかなければいけないことは「疾患≠いたみ」ではないということ。

やっぱり何かしら問題があるから病院やクリニックに来てるのでなるべくその痛みをなんとかしてあげたいって思うのが普通だと思います。
ただ、ここで考えておかなければいけないのは運動療法を行っていく上で改善する可能性があるのか・ないのかというのをしっかりと評価する必要があります。
問診をして次は視診・観察です。
マルアライメントはもちろん、局所の発赤や腫脹、変形がないかを視診で確認していきます。
ここで自動運動なども確認できているとGoodですね。
「O」観察をした後で大事になってくるのは触診です。
触診で見落とさないようにしたいのは、感覚鈍麻や熱感です。
また部位を特定して圧痛などを確認していきます。
ある程度どこの組織に痛みがあるのかっていうのを予測をつけて評価をしていきます。

最終的にストレステストやスペシャルテストって所が大事になってきます。
ある程度疾患や痛みの部位を特定する為にこのHOPSを用いて評価しますが、このHOPSはスポーツ現場でよく用いられています。
スポーツ現場では、ケガなどが怒った場合のファーストコンタクトを我々トレーナーがすることが多いです。
目の前で怪我をした後に評価するツールになっているので最終的に診断とまではいかないんですが、予想して、プレーの続行が可能かどうかの材料にしていきます。
それである程度、予想をつけた上でそれに対してどういった治療をするのかだったり、加えて全身の柔軟性であったり可動性であったりというの評価をしっかりとした上で治療のプログラムを立てるというのが大事になってきます。
運動器疾患の特性を知る

上の図にもあるように運動器、整形外科が扱う疾患は大きく4つあります。
これらの損傷が起こった場合に整形外科を受診し、必要な治療を受ける必要があります。
特にやっぱり運動器に関してはメカニカルストレスっていうものを考慮しなければいけません。

これを見つけるのが新人の理学療法士には難しい作業になるかもしません。
どこにメカニカルストレスがかかっているかは痛みがある部位なので特定できますが、なぜそれが生じているのかを探ることに時間を要してしまいます。
これが見つけられないと、陥ってしまうのは「心因的な痛みなのでは・・・」と疑ってしまうことです。
そこで痛みの理解も重要になってきます。
慢性痛の理解

まず左のループに入れないことが重要です。
この図は有名な図で、痛み恐怖回避モデルと言われる図です。
痛みが生じた後、我々の介入の仕方次第では左側へ誘導してしまう可能性があるので注意が必要です。
もちろん、今までの生育歴や、生活背景などから左側へ入りやすい性質を持っている方もいます。
そんなときは痛みの質の評価と、精神心理的評価をしていくと痛みのことが理解できてきます。
精神心理的評価にはPCSやTSK、HADSやCSIなど様々な評価ツールがあります。
それは以前掲載しましたのでぜひ見ていただければと思います。

まとめ
総じて言いたかったことは何かというと、良かった良かったで終わらず、次に向けて自分をアップデートしていくことだと思います。
結果オーライで終わる臨床もやはりあります。
ただそれはたまたまの可能性があって次同じような患者さんがきたところで通用しない可能性の方が高いです。
だって人って本当にそれぞれ個性があって、身体の構造も違うから。
あとは新人症例検討会という場は仲間作りにもとても役に立つと思っています。
職場の盾のつながりだけではなく、職場を超えた横のつながりを持つことで、自分自身が成長します。
少なくとも、自分はそうやって他院のセラピストと切磋琢磨したり、ディスカッションすることで新たな知識を得たり、発見があったりしたから。
そういう場にしていきたいし、職場という垣根を越えて症例さんの相談をしあったりしても良いと思います。
むしろ大歓迎です。
困っている方がいればぜひご相談下さい。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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