スポーツトレーナーが会場救護で失敗しない準備の仕方

スポーツ現場での活動

11月1〜3日、高校バスケウィンターカップの島根県予選が開催されました。

この大会では毎年、トレーナーブースを設けており、

多くの選手が利用しています。

基本的にトレーナーブースでの役割は

  • 応急処置
  • 緊急時の対応
  • 試合前のテーピング
  • 試合後のケア(アイシングなど)

を主に行っています。

今回は、

  • 具体的に何をするのか?
  • トレーナーブースに何が必要か?
  • 必要な人数は?
  • ブースで動くときのコツ

💡これらについてまとめていきます👍


🏀具体的に何をするのか?

会場救護といっても、様々なやり方があります。

島根県のこの大会では、基本的に選手からの要望には全て応えていきます。

試合前のテーピング、試合中のケガ、試合後のケア方法

など全部対応していきます。

具体的に書き出すと

  • テーピング
  • アイシング
  • 応急処置
  • ケガの相談

ブースでやることのほとんどがこれです。

試合前のテーピングに関しては、やはり足関節のテーピングが多いです。

特に今回の大会で思ったのは大会の1ヶ月以内前に

ケガをしている選手が多いということです。

選手に「病院へはいったか?」と聴いても9割いってません。

なぜか?

病院へ行くと動くなと言われるからだそうです。

たしかにスポーツで起きたケガなので

スポーツをしなければ再発もしないし、痛みもありません。

ただそういうことでは選手は満足しません。

当たり前です。

選手はスポーツを継続するために病院へ行くのに、やめろと言われる

から行かない方がよいと判断をします。

病院へ行ってないとするとトレーナーとしては

  • 受傷の程度はどのくらいか?
  • 本当に出場して大丈夫なのか?
  • 監督、コーチの理解は?
  • どうテーピングするか?

こんなことを思います。

これらをおおよそ5分以内に評価して実施します。

だいたいブースを利用する選手はアップ前に来るのがほとんどです。

選手達はアップに間に合いたい気持ちでいっぱいです。

なのでできる限り早くチームに合流できるようにサポートすること、

自分はこれが重要だと思っています。

具体的な行動としては選手がきたら

【HOPS】

これをすぐさま実行します。

HOPSについては別記事に載せているのでこちらをご参照ください。


🏀トレーナーブースには何が必要か?

では、具体的には何をするかはなんとなく把握できたかと

思いますが、物品は何が必要なのか?

赤丸は治療用ベッドで、あるととても便利です。

自分も私物で持っていますが、安いものは1万円以内で購入できます。

ちなみに私が購入したのはこれです。

昔買ったものは在庫切れだったので最近購入したものを載せてます。

木製ですが、かれこれ3年使っています。

問題なく、選手が2人くらい腰掛けても壊れません。

ブースにはあった方がいい治療ベッドです。


黄色丸で囲んだものはテーピングです。

テーピングは基本的には全種類準備していきます。

【赤:非伸縮テープ】【緑:ソフト伸縮テープ】【黒:キネシオテープ】
【黄:ハード伸縮テープ】【青:アンダーラップ】

これだけあれば十分に対応できると考えています。

もちろん幅は75mm、50mm、38mm、25mmと種類を準備しています。

アスレティックトレーナーの講習会で習う足関節のテーピングは、

ホワイトテープを用いたものが多いですが、選手は意外に嫌います。

バスケの選手でよく言われるのは、

「つま先は上下に動いてほしいけど捻挫の方向にはいきたくない」です。

それをかなえるのはハード伸縮とソフト伸縮だなと思います。

自分はソフト伸縮を多用する方です。

予防でと言われればかなりテープ少なめにし、

がっつり止めてほしいと言われればホワイトでしっかり固めます。

これも選手の訴えのみではなく、HOPSによる評価を基に、

選手と話し合って決めていきます。


あと準備しておかないと行けないものは応急処置物品です。

このまえ100円均一で準備していきましたが、

1200円程度で応急処置がしっかり出来る程度まで準備できます。

具体的に何を準備したかというと

  • 滅菌ガーゼ
  • 三角巾
  • 使い捨てビニール手袋
  • ビニール袋
  • 梱包用ラップ
  • 絆創膏
  • 包帯
  • オキシドール

これらは100円均一で準備できます!!

加えて、常に大会帯同や会場救護で準備しているのは

  • 体温計
  • サチュレーションモニター
  • 血圧計
  • CPRマスク
  • ポイズンリムーバー
  • シーネ
  • 経口補助液

これらはトレーナーバックに入れています!!

加えて会場に接地してある

  • AED(これは場所の確認)
  • 担架の場所確認

会場ごとに異なるので絶対に確認が必要!!

ブースを作る上で欠かせないのは最後に示したAEDの場所です。

トレーナーとして一番重要なのは、

『安全にスポーツを実施できること』

です。

死者を出すなんて事があってはいけません。

万が一に備えて、準備をしておく、これが大切です。

なので起こるか分からない、可能性が限りなく低くても

準備をしておかなければいけません。


🏀必要な人数は?

この答えは割と明確です。

2人以上です。

やはり1人では対応しきれない部分がどうしてもあります。

数年前、1人で対応していましたが、

朝アップ前にテーピング待ちが十数名、

そんな中、試合中に突然のケガと本当にバタバタしました。

最近では協力してくれるトレーナーも増えたため、

2人以上での対応が可能になりました。

基本的には1人はブースで対応、1人は会場内で突発的なケガに対応、

これが理想的であると考えています。

欲を言えばもう1人ブースにいてくれると対応がかなりやりやすいです。

加えて会場によって違いますが、ブースをコートがある会場の

外に設置することも多々あります。

そういった際には必ず2名は必要です。

最低2名ですので、お忘れなく。


🏀ブースで動くときのコツ

こういったトレーナーブースで対応するときには、

どのような能力が必要でしょうか?

能力といっても決して特殊なものではありません。

自分が考えるコツは

『早く、丁寧に、かつ効果的に!!』

です。

いやいやそんなことは分かっているけどどうすれば出来るの?

という話になるんだとおもいます。

要は、引き出しの多さと臨機応変さが重要だと思っています。

結局現場に出るまでの準備がしっかり大事になります。

物品にしても、知識にしても、技術にしても準備が大事です。

あとは経験に裏付けられるような臨機応変さとスピードです。

足首のテーピング一足何分で巻けますか?

おそらく私は3分以内には巻けます。(速いのかな??)

加えて評価もしないといけないですが、ここで重要なのは

History(問診)です。

選手に話を聞いていく時に、膝が痛いと言われて

いくつ疾患が思い浮かびますか?

評価項目がいくつ出てきますか?

これを知っておくだけでもかなり現場ではスムーズな評価ができます。

スポーツの現場は、みんな本気です。

生半可な事をするとばれます。

それだけトレーナーってプレッシャーがかかる仕事なんですよね。

ある程度自分にむち打って準備をしていく必要があると感じています。


🏀まとめ🏀

私も会場救護し始めたときはこんなに準備が出来ていませんでした。

ベッドなんてなくて、会場にあるベンチ椅子を使ってたくらいです。

テーピングもホワイトあればなんとかなるっしょと勘違いしていました。

ただそれはホワイトでの巻き方しか知らなかったというのはあります。

選手一人一人と話していく上で、これじゃだめだと気づきました。

そういった感情がでてから

自分が選手だったらどうしてほしいか、何がうれしいかを考えた結果が

現状の状態に当たります。

でもまだまだ不十分ですのでもっと頑張っていこうと思います。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。

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