こんにちは、まつたくです。
今回は筋膜について勉強したことをまとめていこうと思います。
講習会の内容を全面に出し過ぎると、講師の方にも失礼ですので、
今回は知識の整理のために以下についてメモ程度にまとめます。
- 膜という定義
- なぜ膜は変化するのか?
- どうやって膜に変化を起こすか?
💡最近話題の筋膜って何だろう??
膜という定義
膜とは、日本整形内科学研究会によると
『肉眼解剖的に剖出可能な「固有結合組織の線維成分」あるいは「線維性結合組織の総称」、ネットワーク機能を有する『目視可能な線維構成体』macroscopic anatomical structures forming of fibrils with the function of fascial network system」』
【一般社団法人 日本整形内科学研究会HPより抜粋】
これはどんな意味かというと
要は「目に見えていれば膜である」ということです。
膜は「のり」のような要素であり、身体のあらゆる臓器を覆っています。
この膜はいわゆる『Fascia』とよばれます。
・Fascia
「Fascia」とは
「筋膜Myofasciaに加えて腱、靱帯、神経線維を構成する結合組織、脂肪、胸膜、心膜など内臓を包む膜など骨格筋と無関係な部位の結合組織を含む概念であり、その線維配列と密度から整理される」
【一般社団法人 日本整形内科学研究会HPより抜粋】
要はこの結合組織の内容が違うのみで、靱帯も腱も、
膜の一部であると理解できます。
このFasciaは分類されており
- 浅筋膜
- 深筋膜
- 筋間筋膜
- 固有筋膜
- 腱膜
- 靱帯
- 腱
- 内臓筋膜
などに分類されます。
ここが面白い点で、内臓は壁側と腹側の膜に囲まれており、
内臓自体には痛覚はありません。
ただこの辺が痛いといっておなかなどを指さすのは、
内臓が膜を介して痛みを電導しているからという話です。
これはいわゆる関連痛に代表されるような痛みですが、
その膜を調整することで実際に内臓の状態が良くなる、なんてこともあるみたいです。
にわかには信じられにくいですが、膜の事を理解していけば
なんとなくすっきりと理解できてきます。
・繊維構造
Fasciaはコラーゲン繊維とエラスチン繊維から形成されます。
コラーゲン繊維は伸張性はほとんど無く、
エラスチンは伸張性に富んだ組織(2〜2.5倍伸びる)になっています。
このコラーゲン繊維が収束しているものが
いわゆる「腱・靱帯」と呼ばれるものです。
これも伸張性が少ないですが、ある一定の力が加わると切れます。
これがスポーツ傷害で起こりうる
『ACL損傷』や『アキレス腱断裂』です。
・浅筋膜
浅筋膜は皮膚にしっかりと密着しており、顔・手・足底
には存在していません。
この浅筋膜の役割は主に
『神経・血管・腺』を支持し、保護することです。
ここで理解しておくことは、血行障害やしびれなどの障害は
この浅筋膜がいたずらをしている可能性もあるということです。
浅筋膜の中に神経や血管があるということは、
この膜自体が硬くなることで、圧迫を受けることを意味します。
そうすれば表在にある神経や血管は圧迫を受け、血流が行きにくくなり、
さらには神経症状を引き起こす可能性があるということです。
単純に末梢神経や、脊髄の影響と考え、アプローチを諦めることが
多かったですが、少し糸口が見えたのでうれしかったです。
・深筋膜
深筋膜は3つの異なった方向の繊維から成り立っています。
そうすることで多方向へ線維が向かっているので、
どの方向への抵抗も可能しています。
筋膜に最も多く、弾力性に富んでいます。
深筋膜自体は筋肉を包み、筋と筋との滑走性を高めます。
また面白いのは深筋膜はヒアルロン酸を生成するという点です。
ヒアルロン酸自体は飲んだりしても全く意味なく、ただ消化されます。
基本的には身体の中で生成されています。
ただこれがまた厄介なのは、生成されすぎると硬結がおこります。
ヒアルロン酸自体は保湿剤のようなもので、筋膜自体の
伸張性を保持するために必要です。
また運動したり、熱を加えると滑走性が向上することも分かっています。
これは物理療法などにも応用が利きそうです。
なぜ膜は変化するのか?
この膜が靱帯に及ぼす影響はなんだろうと考えたとき、
あまり想像はできていませんでした。
ただ「のり」の部分が硬く強固にくっついていると、
筋肉がスムーズに動かないだろうということは想像できます。
ではなぜこの「膜」は変化するのでしょうか?
これについて、まとめていきます。
変性の原因
様々な要因がありますが、簡単にまとめると
- 成長に伴うインバランス
- 外傷
- 過用、過小、姿勢、仕事、スポーツによるもの
- 天気
- ストレス
- 栄養状態
これらにより変化を伴います。
ただ筋膜性疼痛の原因は分かっていないようです。
この膜は、コラーゲン繊維束のねじれによって筋膜に
高密度化を生じさせ、脱水が生じ、基質を硬くゲル状にするとのこと。
要は何かが原因で脱水がおき、「のり」として機能していた膜が、
ゲル状に硬くなっている事だそうです。
また過用などを起こすと、ヒアルロン酸の凝集化を引き起こす。
これも筋膜を変化させる原因になります。
筋膜は
- 癒着
- 硬化
- 繊維化
これらによって変化が起こってきます。
唯一、繊維化のみ徒手などでは戻すことが出来ないとされています。
ではなぜこれらの変化が起こると問題になるのか?
筋膜に変化が出ると、
「痛み」「筋収縮の不均衡化」「筋出力低下」「姿勢代償」
などの不都合が起きてきます。
また筋膜が硬くなることで、運動パターンが変化します。
単純にストレッチするだけでは柔らかい筋膜下の筋肉などのみが、
ストレッチされるだけであり、筋膜の状態を良くしてからした方が、
効果が大きいようです。
どうやって膜に変化を起こすか?
こうなってくるとどうやってその筋膜を治していくかというのが
気になってきますよね。
単純な話、筋膜を徒手的に変化させるためには
『強摩擦と熱』
が必要です。
強摩擦は、強くこすることで実現し、こすると熱が出るので
これが治療になっていくとのこと。
あとは最近はやりの、エコー下での生理食塩水注入や鍼治療。
現実的なのは熱と摩擦を加えることかなと理解しました。
以前参加した、IASTMでの講習では、振動と圧刺激がFasciaの変化に必要
とされていましたが、これもうまく盛り込めば振動を使いながら摩擦をする
というのが理想的なのかなと思いました。
そうなるとDr.Airは最強かな?と感じました。
まとめ
結局の所、評価が大事になります。
しっかりとした評価が治療に結びつくということです。
(こんな当たり前のことに毎回気づかされます。。。)
今回も最後まで読んでいただき,ありがとうございました。
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