ACL術後に理学療法士が関わる3つのメリット

ACL(前十字靱帯)関連

こんにちは、まつたくです。

日頃から前十字靱帯損傷術後の患者さんと接することが多いですが、

術後の理学療法を実施していて、やはり理学療法重要だなと改めて

感じたのでまとめてみました。

先に言っておくと

ACL術後に理学療法士が関わる事は有益になると考えてます。


その理由は大きく3つ。

  • 痛みの管理
  • 可動域の獲得
  • 患部外トレーニングとADL拡大

💡術後の対応は1番得意??


✅️痛みの管理

まずは痛みの管理です。

われわれ理学療法士は痛みに関して一定程度以上の知識があります。

過去の研究においてもメディカルオンラインでの「痛み」と検索している

職種で1番が理学療法士だったという調べもあるそうです。

その中で術後どう関わっていくか、3つ述べます。

腫脹の管理

腫れのチェックができる。

周計など測る技術を持ち合わせており、管理ができ、

なおかつフィードバックもできる。

腫れに対してマッサージなどの徒手的な介入ができる。

これほどの強みはありません。

物理療法

必要に応じて物理療法を選択できます。

多く利用するのは電気や超音波です。

術後早期であっても状態に応じて実施していくことで、

痛みを軽減させたり、腫れも引かせることが出来ます。

痛みの解釈

現在抱えている痛みに対して、どうアプローチをするべきかを判断できます。

この痛みが後にどんな影響を与え、どうなっていくかを予測していくことで、

現在の治療プランを立てることが出来ます。

痛みの認知を評価するためにも破局的思考や運動恐怖感など、

評価しておくことが大切です。

痛みの評価については過去記事も参照ください。

また、手術方法の理解をしておくとなお痛みの理解が進みます。

手術方法を伝える

なぜこの痛みが出ているかの判断に必要になってきます。

なぜそこが痛いのか、痛みの原因を手術方法を知っていれば、

認知の歪みは起こってこないと考えています。

何でこの痛みは治らないのだろうと不安にさせることもないです。

痛い理由をしっかりと話して日にち薬ということを

伝えることもセラピストの役目であると思います。


✅️可動域の獲得

これはドクターにも強く求められることです。

単純に曲げ伸ばしすれば良いわけではありません。

機能的な膝に戻すことが求められます。

膝関節の構造

解剖学、運動学に精通していればどのようにして

正常な可動域を獲得していくかを考えることができます。

単純な屈伸ではなく、

脛骨の内外旋に着目してしっかりと動きを出すことが大事です。

曲がるときに脛骨が内旋(すねの骨が内側に回ること)し、

膝が伸びる際に外旋(すねの骨が外側に回る)します。

これはMPM(Medial pivot motion)、SHM(Screw home movement)

といいます。

この動きを皮膚の瘢痕形成が生じるより前に

しっかり動きを出しておくことが重要になってきます。

術後の状態変化

手術後膝にどのような変化が起こるか予測してできます。

腫れに対してどのようにマッサージなどを用いて循環を促すか、

内出血している部位にはどうアプローチするかを考えることができます。

振動刺激

これは私はよく利用します。

術後に限らず、fasciaと呼ばれるいわゆる筋膜と

されている部位にアプローチします。

腫れが出ると筋肉の萎縮が起きるのみではなく、

その上下の組織まで影響が出ます。

皮下の滑走性が低下すれば自ずと筋出力も下がり、

なおかつ可動域も悪くなります。

そういった際にこの振動刺激をすることでかなり改善される印象があります。

振動刺激を利用することで、線維芽細胞を活性化し、

膜構造の中のコラーゲンやエラスチンに変化を与えることが出来ます。


✅️患部外トレーニングとADL拡大

これは術後早期からどこまでを見据えて理学療法に取り組んでいるか

という点で大事になってきます。

ACL手術の最大の目的はQOLであると考えています。

特にスポーツです。

ここを見据えて膝以外のトレーニングをできる範囲をしっかりと鍛えます。

私が特に着目するのは、体幹です。

脊柱の動きをしっかり出すことをリハビリでします。

動かせる範囲の理解

術後の安静度に合わせてトレーニングを考えることができます。

基本ACLはスポーツ傷害に入るので、スポーツへ復帰を望む方が多いです。

術後早期は装具をつけたり、痛みで動かせる範囲が少なかったりします。

そんなときにその範囲内でできるトレーニングを

考案して実施できるのも強みであると思います。

これは病棟でのADL拡大にもつなげることができます。

段差昇降や歩行など、早期に制限しながらでも実施する事で

病棟でのADLを拡大できます。

ADL拡大すれば患側の使用頻度も増えますし、動けないという

ストレスも減ってきます。

痛みの範囲

今生じている痛みはトレーニングを続けてよい痛みか、

それとも中断すべきか悩む時があると思います。

個人的には、時にはある程度我慢できれば、

痛みを伴っても動かすことを許容してます。

その痛みは続けてても負の感情を伴わない、

VASで8を超えないなどある程度の基準を設けてます。

バリエーション

これは患部外トレーニングを、考える上で必要なことになります。

簡単な例えとしては股関節のトレーニング。

外旋筋を鍛える際の股関節の角度を何度に設定してトレーニングするか、

またOKCかCKCかセミCKCか。

加えて装具を着用し、体幹トレーニングも様々な視点から行います。

さまざまなバリエーションでトレーニングする事で、

患者にも満足感を与えれるしさまざまな動きができるようになります。


✅️まとめ

結果、やはり術後に理学療法士が関わるメリットは大きいと思います。

最近では基本的に術後のリハビリといえば理学療法士が担当し、

どこの病院でも手術後は理学療法士が関わる事は一般的であると思います。

ただ、術後早期から、スポーツ復帰という先を見据えて

トレーニングできる視点がとても重要であると思います。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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