こんにちは、まつたくです。
今回は半月板について少し書いていこうかなと思います。
ACL損傷のみでなく、半月板損傷を伴う場合、
当院では固定期間を設けることがあります。
大きく手術は2つ、部分切除か縫合術か。
この2択になります。
最近では当院でも行っていますが、半月板移植術もあります。
これらでどう違ってくるか臨床の経験から話します。

- 半月板損傷するとどうなる?
- 部分切除後の理学療法
- 縫合術後の理学療法
- 移植術後の理学療法
💡半月板をケガするとやっぱり厄介ですね
🌓半月板損傷するとどうなるのか?
ACL損傷に伴い半月板を損傷すると厄介です。
半月板が損傷するとロッキングという状態が生じます。
症状としてはひっかかり感がある、
膝自体が曲げにくくなる、などの症状が出ます。
もちろん、それに伴い荷重時の痛みや
膝の屈伸での痛みが生じやすい状況にあります。
これはACL単独損傷のみではあまり起きないことです。
また関節水腫もおきやすく、
いわゆる「水がたまる状態」です。
この状態は放置しておくと日常生活に支障が出やすくなります。
たとえば階段や坂道で特に症状が出やすいです。
また長年放置しておくと軟骨自体も傷つけるため、
軟骨損傷を伴うか、もしくは変形性関節症に進行します。
なので、可能な範囲で修復をした方がよいというのが、
整形外科医の見解になります。
それに関しては私も同意見です。
スポーツをするならなおさらです。
症状もほとんど無く、手術が嫌な場合は仕方がありませんが。
🌓部分切除後の理学療法
部分切除は名前の通り、半月板を切除してしまいます。
断裂の種類やサイズによっては
切除しなければいけないこともあります。
最近では可能な限り半月板は温存するとしていますが、
やむを得ない場合もよくあります。
また円盤状半月の場合は切除することが治療になります。
過剰に出来てしまっている半月板を取ることで、
引っかかりなどの症状がなくなっていきます。
切除後のリハビリは基本的には固定期間など設けず、
荷重制限もほとんどありません。
傷口も小さい傷のみで、術後の痛みも少ないです。
スポーツ復帰も縫合術よりも早期に復帰出来、
おおよそ3ヶ月から5ヶ月の間で復帰ができます。
当院では円盤状半月の切除後の場合は、
荷重を2週間かけてゆっくりと全荷重へ持っていきます。
術後の理学療法でも問題になることは少ないですが、
膝のアライメント修正などする事はたくさんあります。
🌓縫合術後の理学療法
縫合術では、これも断裂サイズや損傷部位によって
何針縫うか、変化します。
私が経験した中で1番多かったのは21針です。
ちなみに1針、8万程度するそうです(物によるかな)
小さい傷で手術できるall-insideを可能な限り選択しますが、
大きな断裂サイズの場合は、outside-inもしくはinside -out
を用いるので少し傷口が大きくなります。
その場合は関節包の逢着があるので、軟骨同様に
痛みが強く出る場合があります。
縫合術を行った場合、術後当院では固定期間を設けます。
基本的には2週間、膝20°屈曲位で固定されます。
この間は膝を動かすことが出来ないので、
患部外トレーニングや電気治療にて膝周りを刺激します。
2週間の固定期間の間の理学療法は、
固定期間解除後の可動域制限にかなり影響を与えます。
この際に運動イメージの利用なども
含めてトレーニングが必要です。
この2週間は免荷期間ですので基本的に体重はかけれません。
またスポーツ復帰は5−6ヶ月であり、
しっかりとしたリハビリテーションが必要になります。
🌓移植術後の理学療法
これは最近当院でも行われている手術です。
主に壮年期の患者さんに多いです。
傷ついて縫合もむずかしい半月板を骨ごと移植する
という手術になります。
青い部分の骨をくりぬいて、それに骨付き半月板を、
うまくパズルのようにはめ込むような形になります。

基本的には骨の移植し、骨折の治療をするように
骨がくっつくのを待つ形になります。
加えて残存半月板に新しい半月板を縫うため、
固定期間が必要です。

なので手術後免荷期間を長く設けることが多いです。
当院では手術後の免荷固定期間を術後2週間としており、
その後20°ー90°の角度制限をつけて、
ROM、部分荷重を実施し、
術後4週でROM120°屈曲可、全荷重へともっていきます。
術後、広範囲に膝を切開するので、痛みが強く、
屈曲制限が生じやすいです。
痛みも生じやすく、慎重な理学療法が必要になります。
🌛まとめ
半月板は損傷するとQOLのみでなく、
ADLも下げてしまいます。
スポーツへの復帰がどうこうというより、
階段がスタスタ降りれない、歩いていると痛い
など日常生活への支障がでます。
膝に上記に示していた症状がある場合は、
まず医師に相談しましょう。
半月板損傷は基本的にMRIと
整形外科的テストの組み合わせで診断されます。
レントゲンのみあるクリニックでは診断できないことも
ありますので注意してください。
術後のリハビリに関しては膝のみでなく、
体幹、股関節などの膝以外、全身を見ながら
専門家のアドバイスを受けながら、
スポーツ復帰することが望ましいです。
島根で困っている方いたら相談のります!!
今回も最後まで観ていただきありがとうございました。
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