Keywords:理学療法 コミュニケーション 効果
この記事の著者
理学療法士10年目
認定理学療法士【スポーツ理学療法・臨床教育】
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
普段は大学病院で勤務しながらスポーツ現場でもトレーナーとして働いてます。 高校生のサポートや、大会での救護活動を中心に、スポーツ現場に出ています。 臨床ではACL損傷後のリハビリテーションを中心におこなっております。
・よくコミュニケーションが大事って言われるけどなんで大事なんだろう?
・コミュニケーション取れなくても技術でなんとかしてやる!
こんにちは、まつたくです。
そんなふうに思ったことないですか?
当然のごとくコミュニケーションって大事なんです。
それはもちろん、理学療法士は
「人を相手にする仕事」
だからです。
ただコミュニケーションが大切なのは、それだけではないということをお伝えしていきたいなとおもいます。
- コミュニケーション能力は大事
- コミュニケーションは信頼関係を築く一つの手段
- コミュニケーション能力を高くしておくことのメリット
✅そもそもコミュニケーション能力って?
【結論】人との信頼関係を築くための能力です
医療現場において信頼関係が重要になります。
仮に、自分がリハビリを受けるとして、全然信頼できなさそうな理学療法士と、信頼できる理学療法士、どちらの理学療法を受けたいですか?
当然信頼できる方を選ぶと思います。
ではその「信頼できる」って何を基準にしていると思いますか?
まずは見た目の問題です。
コミュニケーションは話をすることで行うと思っている方も多いかもしれませんが、非言語コミュニケーションというものがあります。
これは言葉では無く、見た目や仕草、挙動や姿勢などから受け取るその人の印象というとわかりやすいかなと思います。
例えば、PT学生で実習行く前は身だしなみを整えておきましょうと言われたことはないですか?
また就職試験などの面接でひげを生やして行ったり、髪を結ばずにボサボサのまま面接を受けることが出来ますか?
もしかしたら出来る人もいるかもしれません。
ただ、あなたとはじめて会う人があなたをどんな人かを見る基準の一つに、「見た目」が大きく影響していると言うことを忘れないで下さい。
今の若い方々の価値観では、「そんなことより、中身を見てほしい」「見た目悪くても、しっかりやれば良いじゃん」と思う人もいるかもしれません。
ただ病院で出会う方々はほとんどが高齢者です。
あなた方の価値観では勝負できない場面もあります。
なので第一印象としての見た目を意識して対面することも一つのコミュニケーション能力であると考えます。
その第一印象を受けてから、次が会話になります。
会話によって第一印象をどのように変えることができるかが決まります。
変な話、見た目が少しだらしなくても、きちんと敬語も出来るし、気遣いも出来る、私の話もしっかり聞いてくれるとなると、これは一気に印象が変わります。
そういうテクニックもあります。
最初の印象がイメージ悪いと、しっかりと接していれば、あとは上がっていくだけです。
逆に最初のイメージがいいのに態度や話し方が悪いと、相手はそのギャップに少しイライラしてしまいます。
ここは注意しておきましょう。
長くなったので少しまとめると、コミュニケーション能力は信頼を築くための能力であり、その信頼出来るか出来ないかは、会話のみではなく、非言語コミュニケーションも重要であるという話でした。
✅何のためにコミュニケーションを取るのか?
【結論】最終的には信頼関係を築くため
では信頼関係を築くとどう影響が出るのか知りたいですよね。
信頼関係を築くための戦略は以前の記事にいも書いてますので参考にして下さい。
この中でも話していると思いますが、ニューヨークタイムズというアメリカの新聞が出した記事にこんな一文があります。
「病院における治療の結果、健康状態が改善しない・悪化する原因の7割は、コミュニケーションにある」
これは医師の診療に向けて書いてますが、理学療法場面でも同様であると私は考えています。
最近こんな場面がありました。
膝術後の患者さんの膝のROMを実施していました。
90度しか曲がらなかった膝が、会話を重ねていき、家族の話をして、そこからいろんな共感を得た後、再度ROMしたところ、膝は110°へ変化しました。
会話中はセルフでマッサージをしてもらってました。
では学生のみなさん、なぜ可動域がよくなったか、考察して下さい。
なんて言われたらどう答えるんでしょうね。
もちろんセルフマッサージの効果として軟部組織や筋肉の緊張が取れたというのもあったかと思います。
ただセルフマッサージはその数日前からも実施していました。
少し複雑な背景がありそうな患者さんだったので、注意しながら会話をしていましたがある話で盛り上がり、いろんな話をしてくれるようになりました。
その後ROMがぐんと上がりました。
これは正直私もびっくりでした。
コミュニケーションによる相手への親密感や信頼感は、結果的に身体への影響まで及ぼしたのではないか、とも思えます。
こういった所にコミュニケーションの面白さがあるなーと思います。
やはり会話をし、共感を得て、少し親密感が出てくると身体もリラックスできます。
その状態でROMが劇的改善。
「この人すごい治せる人なんだ」
と少しでも思ってもらえれば信頼関係は築けたと言って良いと思います。
またここで大事なのは、我々理学療法士にとっての信頼関係は2つあると思っていて、
「人として信頼できるのか?」
「私を治してくれる理学療法士として信頼できるのか?」
です。
私はこの二つを心がけて働いています。
やはり理学療法の結果が伴わないと、単純に「いい人」で終わります。
「話しやすいけど、理学療法の効果は実感できない。」
こうならないようにしっかりと効果を出していくことも必要ですね。
結果にこだわって技術や知識を研鑽することこそが、ある意味信頼関係を築くためには重要なことであると思います。
✅コミュニケーションのもつ力とは?
【結論】理学療法の効果を飛躍的に上げてくれる力
私はこういう風におもっています。
もちろん技術・知識がすごい人はたくさんいます。
同僚にもそんな方々がたくさんいて正直焦ります。
ただ、患者さんとどんだけ密な会話が出来ているかと考えたときに、私は結構できている方だと自覚しています。
私自身の踏み込んだ話も相手にするし、相手にも聞きます。
『コミュニケーション能力 × 理学療法 = 患者さんが未来をカタチにするためのサポート力』
であると思っています。
コミュニケーション能力も理学療法と同様で勉強すればあがります。
こんな私も学生時代は「人見知り」でした。
患者さんともうまく話できず悩んでいたときに、先輩から紹介してもらった本を何度も読み、技術で解決できることもある事を学びました。
(書籍:NLPの教科書)
学生さんも今のうちに読んでみてはどうでしょうか。
コミュニケーションは取れるようになってくればくるほど楽しいですし、奥が深いし、悩むことも増えます。
ただ、何も知らないと、このようないろんな経験も出来ません。
コミュニケーションはありとあらゆる所で必要とされます。
患者さんとの対話だけでは無く、他職種、同期、上司、先輩、後輩、家族でも何気なく行っています。
また一説によると人は1日に6.2時間コミュニケーションを取っているそうです。
これは私たち理学療法士にも当てはまります。
起きている時間が18時間だとして、1/3をコミュニケーションに当ててます。
この1/3の時間を充実させると人生楽しくなりそうじゃないですか?
今日から少し意識して会話を進めてみましょう。
✅️まとめ
いかがだったでしょうか?
ここまで見るとじゃあどうやって信頼を築くためのコミュニケーションするんだよとなってきますよね。
またその辺りはぼちぼちと載せていこうと思います。
やはり理学療法士にはコミュニケーション能力は必須であると思います。
なぜコミュニケーションが重要かを少しでも考えるきっかけになればと思います。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
- ACL損傷をゼロに!!
- 怪我に泣くスポーツ選手をゼロに!!
- 子ども、アスリートの未来をカタチに!!
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