Sportsmedicine208

日常での学び

今回は定期購読しているSportsmedicineから。

雑誌の大枠は『ファーストエイドの疑問と課題』

その第1章がおもしろかったのでまとめていきます。

内容は国際武道大学の笠原先生がまとめています。

笠原先生の内容は『RICE処置の疑問と課題』ということでRICE処置について話されています。

RICE処置とは

  • Rest:安静
  • Ice:冷却
  • Compression:圧迫
  • Elevation:挙上

の頭文字を取った処置の事です。

聴いたことはあると思います。

話の結論を先に言うと、

【応急処置、コンディショニングとして利用することを区別すること】

と感じました。

RICE処置は言葉の通り、「安静」にし、「冷やし」、「圧迫」し、「挙上」することです。

現場ではケガをすると、とりあえずアイシングという風潮がありますが、アイシングのみでは正しいRICE処置とは言えません。

簡単に書くと、アイシングの効果は痛みの軽減が主です。

組織の修復やその後の回復への影響は少ない、もしくは阻害されるとされています。

ただ痛みを長引かせてしまうと、その後の痛みの回復や慢性痛への移行など悪影響もあります。

要は【ケガをしてしまった際のファーストエイダーの初期処置と経過評価が重要】になります。

アイシングが必ずしも悪ではありませんが、必要に応じて最小限に抑えていくというのが良いと思います。

ただケガして何日間もトレーナーが患部の管理をしていくのは難しいと思います。

そうなった場合に選手はどうすれば良いのか。

アイシングはしてもよいがしなくても良いとはなっていません。

やるとしたら10分程度の感覚で、患部や全身が心地よく感じる程度がよいとされています。

スポーツとは離れますが、TKA(人工膝関節)術後の患者さんにアイシングを実施し、VASという痛みを数値化した指標を用いる研究があります。

この研究のおもしろいところは、アイシングを膝(手術した部位)にする患者さん、アイシングを手(関係ないところ)にする患者さんで比較しているところです。

VASの結果は手にアイシングした方が有意に下がった、要は手にアイシングした方が痛みが落ち着いたという結果でした。

またアイシングをしているときの快楽感が高いほど、痛みは下がるという結果でした。

この結果から、主観的に痛みには結局のところ、リラクゼーションが重要なのでは無いかと私なりに考えています。

もちろん患部にアイシングすることも患部自体の熱(炎症の一部)を下げることで痛みを感じにくくする(TRPV1の影響)ということもありますが、脳がリラクゼーションしているときの方が主観的に感じる痛みは減少していくことが考えられます。

ケガした直後の腫れに関してはアイシングでは何とも出来ない部分があります。

そこはRICE処置の「C」と「E」の出番です。

この見極めは、トレーナーでも難しいので何とも言えないですが、コンプレッションタイプのウェアを着用したり、心臓よりも患部を高くして寝たりと工夫することで腫れを抑えることが出来ます。

こういった風にRICE処置する際には工夫が必要です。

今までなら、私も炎症は24時間〜72時間程度あるから、3日間は冷やすようになどと、しないよりした方がいいと安易にアイシングを進めていました。

もっと患部を観察して具体的なアドバイスが出来るような環境設定や連絡の取り方など工夫していく必要があると思っています。

わかりやすかったので引用させていただきます。

Sportsmedicine、2.3月合併号 208「ファーストエイドの疑問と課題」より引用

普段から相談できる関係性を作る、まずはそこからですね。

ぼちぼち頑張っていこう。

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